治療後のQOL維持と予防|遺伝子治療で癌をやっつけろ|望みはまだある

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治療後のQOL維持と予防

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貧血が原因のケースも

がんの中には女性特有の乳がん・子宮がんや男性特有の前立腺がん以外でも、男女間で発症率が異なる例が少なくありません。上咽頭と中咽頭・下咽頭に分けられる咽頭でがんが発生した場合はそれぞれ治療法が異なるばかりでなく、発症率に男女差が見られるのです。上咽頭がんと中咽頭がんは男性の方が女性の3倍多くなっていますが、下咽頭がんは女性患者も少なくありません。いずれも原因はウイルス感染に加え、喫煙や飲酒による咽頭粘膜への刺激も深く関わっていると考えられています。ただし下咽頭がんでは喫煙や飲酒の習慣がない人でも多く発症しており、この場合は貧血が原因ではないかと疑われます。鉄欠乏性貧血になると咽頭粘膜の再生が進まなくなり、口内炎も発生しやすくなるものです。粘膜の慢性的な炎症からがんに発展する例は咽頭だけでなく、胃や腸・食道などの消化器官全般でも見られます。咽頭がんは全般に初期症状が出にくいですが、特に下咽頭の場合は食物が飲み込みにくくなったりのどの痛みを感じたりした時点でがんの進行している例が少なくありません。がんが進行すると首のリンパ節や食道だけでなく喉頭にまで転移するため、声のかすれが生じてきます。

腸を利用した再建術も可能

上咽頭がんの場合は視覚や聴覚に関わる重要な神経が近くにあるため、治療法として通常は手術を選択しません。他のがんと比べて放射線や抗がん剤が効きやすいことから、手術以外の治療法でも治る見込みは十分にあります。中咽頭がんも同様に放射線治療と抗がん剤治療が基本ですが、進行している場合は手術が実施されます。下咽頭がんでは脳の重要な神経から離れているため、がんが進行している患者さんでも手術で根本治療を目指すケースが大半です。首のリンパ節や喉頭・食道を含めた広範囲を切除することが多く、術後のQOLを損なわないようにするためにさまざまな工夫が行われています。喉頭を摘出して声が失われた場合に実施される食道発声法のリハビリなどは、よく知られたQOL回復法です。下咽頭は食物の通り道にも当たっているため、QOLを回復させるには腸を使った再建術が多く行われています。こうした手術は咽頭がん治療の実績を豊富に持つ専門病院ほど確実性が高く、執刀する外科医の腕も信頼できるものです。日頃から貧血気味で口内炎がしょっちゅう発生している人でも、定期的に内視鏡検査を受けることで咽頭がんが早期発見され、楽な方法で治療できます。